さて、いよいよ後半です。
前半の解説{フライブルクのエネルギー政策(上)}の解説は全て更新してあります。前半の解説はこちら

【村上敦さんの解説 都市計画】
ヴォーバン団地(Vauban)
ナチスが兵営地として使っていたところで、冷戦のときにフランスよってに統治される。
ヴォーバンはフランス語。ドイツに返され、フライブルク市に払い下げられた。
住宅地開発をする 1994-97年
97年〜作り始める 2007年まで
全体で38ヘクタールの敷地 5500人 雇用600人を目標
都市計画・コンパクトシティ
農村と都市を分ける。
都市の役割:経済 市場の機能 行政/文化
人が集まる=市場 交易 人が移住 サービス ...
農村(漁村/山村)の機能:集落をつくる、生産の役割
1人ではできないが、たくさん集まることで生産できる。
こう分けると、人の住み方も違うはず
日本ではあまり分けられていないし、分ける思想が無い。
都市計画
日本:東京を頂点とする都市化 人口が減っていくと劣化していく
欧州:都市機能と農村機能を分けて考える。
例:フライブルク市内に戸建て住宅は無い。
都市機能として重要なのは人が交錯して、
物が売り買いされて、...と生産される形ではないから、
密度がある程度高くある必要がある。
密度が高ければ、歩いていける範囲で
または公共交通を通してその範囲でやりくりできる。
移動距離が最小になるようになっている。
だから戸建て住宅を建てる計画は無かった。
戸建て住宅が欲しい人は、郊外の農村部に行って、
建てて車で通勤する必要がある。
ヴォーバン:38haの面積で5,500人を住ませて600人の雇用を作るという計画
戸建てもあるが、それぞれくっついていて戸建てには見えない住宅が建てられている。
路面電車が近い、お店が近い、歩いていける。1Haあたり140人。
1ha=100mx100m なぜ140人?
江戸時代=だいたいそれくらいだったらしい。
昭和時代でも商店街があった時代は歩いて買い物に行けた。
日本の抱えている問題は 都市の密度が無くなっていること。
シャッター街、大型店が郊外に...
核家族化、少子高齢化が進んだから。
シャッター街ができたのは、某ショッピングモールが郊外にできたからではない。
商圏は半径200-300m(買い物に行く範囲)、
ところが1haあたりの人口が150人から50人になったら売り上げも1/3に。
商店の跡継ぎができなくなる
→シャッター街。大型店は商圏を広げる為に出てきた。
フライブルクでは、特別に商店の場所を作り、その土地代を住宅より格安にする。
こうして意図的にやらないと、全部住居になってしまうから。
これをコンパクトシティという。
環境負荷のことを考えても重要。
高齢で車が運転できなくなっても無問題。
フライブルクの公共交通機関のカバー率が95%超
フライブルクから全ての車が無くなっても、住民は困らない。
このように成功している街は、ヨーロッパでもそう多くはない。
ドイツがみんな成功しているわけではない。廃れているところもある。
日本で問題になっているのはニュータウンが高齢化...
ドイツでは住宅は過剰に供給していない。
ドイツの空き家は市場の5%(5%はないと引っ越しができない...)
資産価値が上がる。
3000万で買って子育てをして20年後に6000万で売れる。
日本のニュータウンは売れない。
ローンを抱えているから、死ぬまで住み続けるしかない。
際限なく不動産の供給量が増え続けているから、資産価値が下がる一方。
交通の便が悪いところに家を建てたら、5年、10年後に必ず資産価値は下がる。
移り住みたい時に移れない。
日本の住宅ローンは生命保険で借りている。
要は「払えなくなったら氏ね!」ということ。
生命保険はローン借りている間は解約できない。
とてもいい制度とは言えない...
今の日本の制度では、無理矢理でも金を貸させて、
資産価値を落ちても新築を建てることで目先の経済を回していく政策。
ドイツではそれは90年代に終わった。
ドイツに新築はほとんどない。
新築産業がないが、改築産業が盛んである。













































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