レゴ鉄のBLOG 

Hier steckt Zukunft drin... 

ポチスロとレゴ社の業績の関係(2014年)

昨年、私が属していた大学のゼミで、レゴに関する小論文を書いた。
これは2014年冬に書いたものであり、最新のものではない

以下、これから書くのは、レゴ社がどのように玩具業界で世界一になったかをビルダーの視点で考察したものである。
ポチスロの普及率がレゴ社の業績と何らかの関係があるのではないかと...。

ポチスロ

この小論文は、
序章
研究の目的
仮説
研究方法
結果

結論 
の6部構成となっている。

英語で書いたので、翻訳した上で、それを元に堅すぎないように
文章をやや崩してある。

序章では、レゴ社の事情を書いているが、知っている方は読み飛ばしていただいて構わない。
調べればわかる事実を述べているだけなので。ただおさらいにはなるかと思う。

それでこの小論文は、飽くまでも昨年の冬休みに一気に書いたものなので、
気軽に読んでいただければ幸いです。


序章

2014年上半期にレゴ社はマテル社を追い抜き、世界一の玩具メーカーになった。これは、レゴムービーとその製品の爆発的ヒット、中国市場における急成長による影響が強いと見ている。加えて、CITY、Creator、Star Warsが世界的に強く成長し続けている。売上の6割はクリスマスシーズンを中心とする下半期だからどうなるかはわからない。

 レゴ社は14年上半期に$20.3bn(11.5bn DKK)と、マテル社の$20.1bnをわずかに超えた。14年上半期の純利益は2.7m DKK、13年上半期は2.3m DKKで、11%増加している。レゴムービーとその製品の爆発的ヒット、上海に新しいオフィスと工場を新設した事による50%の売上増加が影響している。売上の6割はクリスマスシーズンを中心に、下半期に集中している。

  そんな絶好調なレゴ社にも、倒産の瀬戸際に立たされたことがある。98年から2004年の間に赤字を4回計上したのである…。暗黒時代。レゴ社はあらゆる事業に手を出し過ぎて、本業をおろそかにしてしまったのが理由である。

 2004年に最高経営責任者(CEO)が現CEOに代わり、レゴ社を再構築するために、The Action Planを実施することを決めた。 2003年水準の20%コスト削減、本業であるブロック事業の大幅なコスト削減と効率化を目指した。また、約1,000人の労働力を削減し、LEGO®LANDビジネスを2005年に売却。これまでにない大改革だった。

注釈:bn=billion=十億  m=million=百万 DKK=デンマーククローネ ※ドルは米ドル換算


研究の目的

 この研究では、どのようにレゴ社が急成長したかを、ビルダーの視点から考えてみた。自分自身は4歳くらいからレゴを始めたらしく、中学の最初くらいまで遊んでいたが、部活や受験で次第にレゴから離れていった。2008年の高2の時に、衝動的にレゴをやりたくなり、名作と言われる黄色いコテージを買って組んだきり、2012年までレゴはほとんど触らず。

しかし、レゴ活動を再開した際にレゴのパーツのバリエーションが豊富になっているなと感じた。その中で、ポチスロが顕著だと思った。あれは革命だと思う。もはやポチスロなしで作品作るのは難しい。今これを読んでいる皆さんも、作った作品の中で、ポチスロを一切使っていないものってあるだろうか?大体使っているはず?それくらいありふれた部品になったと思う。

 レゴ社の急成長の要因は経営戦略だけでなくて、レゴ製品のデザインとかパーツ構成の変化にもあるのではないかと考えた。特にパーツ構成で著しく変わったと思ったのが、ポチスロではないかと思う。これはビルダーの皆さんも納得じゃないかと。どのセットにも入っているのではないかと。


仮説

 ポチスロが入る事で、よりデザインが洗練され柔軟性が増して(より細かい表現が可能)、顧客の購買意欲がそそられて、売上向上につながる… という仮説を立ててみた。

 しかし、「デザインが洗練されている」っていうのは飽くまで主観的なものなので、それを数値化してやると説得力が増すのだが、今回は
「パーツ数少ない=一体化パーツ多様=デザインが大味」
「パーツ数多い=細かい表現可能=カッコいい」
と仮定した。
(例えば歴代の製品パトカーのパーツ数を比べてみる、とかやってみたかったのだが、時間がなかった。誰かやってください。)

つまり、ポチスロが入っていれば、まぁ細かくて洗練されているだろう…。
そういうわけで、仮説は、ポチスロの普及率は、レゴ社の業績と何らかの相関関係がある!
 
研究方法

 具体的には、ポチスロが1個でも入っていれば1とカウント。この時は、時間と労力の都合上、対象を1x1x2/3のポチスロ(ID:%54200)だけに絞っているので、この際ダブルポチスロだけが入った製品はカウントしてない。Bricklinkでひたすら調べる。これは大変だった(笑)。

 レゴ社が出している全製品のうち、デュプロ、マインドストーム、ミニフィグシリーズを除いて1998年から2014年にリリースされた製品のうち、ポチスロを一つでも含むものを1とカウントした。
 また、3大ベスト(&ロング)セラー製品の、シティ、クリエイター、スター・ウォーズ™だけに絞った数値も出した。


結果

まずは、98-2013年のレゴ社の業績を見てみる。

グラフ1-1
レゴ社の業績(1-1)

グラフ1-2 レゴ社の業績1998-2013年 デンマーククローネ 百万DKK
レゴ社の業績 数値

 序章で述べたようにグラフ1-1と1-2によると、98年から2004年まで4回赤字を計上しているのがわかる。The Action Planを実施した2004年から2005年には著しい変化がある。
 
 2009年から2010年は、すべての市場での成長を達成した年である。特に2つのベストセラーであるシティとスターウォーズ™シリーズは、最大の売上高を達成した。アジアの玩具市場は、2012年の間に高い成長率を達成した。 

次に、ポチスロの含有率を調べたものを見てみる。

グラフ2-1
ポチスロを含む製品の数(2-1)

グラフ2-2
ポチスロ(2-2)

 グラフ2-1によると、ポチスロを含むセット数は、年々徐々に増加しているようにみえ、大体2つに1つの製品にポチスロが含まれている計算となる。

 グラフ2-2を見ると、興味深いことに、クリエイター、シティ、スター・ウォーズ™に含まれる比率も年々増しており、またその割合が高い。最も高い年で82.2%の製品にポチスロが含まれている。

 最も収益力のあるセットほど、ポチスロが含まれている事がわかる。


結論

 本研究では、ポチスロが普及=売上向上、と単純に結論づける事は出来ない。
しかしながら、ポチスロの含有率が増加すると同時に、売上高も増加しているのがわかる。
そして、興味深いことに、最も収益性の高いシリーズにより多くの割合が入っている。
それゆえ、ポチスロと売上高には何らかの相関関係があるかもしれない。
 
 ただ、ダブルポチスロだけが含まれた製品もカウントすれば、もっと正確な数値が出せるのと、
何より、2014年冬に書いた小論文であり、最新のデータではないことに注意していただきたい。


ここまで読んでくださった皆様、ありがとうございました。
何か疑問、質問、感想等がありましたら、コメントいただければ幸いです。
何かおかしいところ、間違えている所の指摘でも構いません。



参考文献


参考文献 (最終閲覧 January 6, 2015)

LEGO annual reports 1998-2013
http://www.lego.com/ja-jp/aboutus/lego-group/annual-report

LEGO the first half 2014 report
http://www.lego.com/en-US/aboutus/news-room/2014/september/interim-result-2014

Brick Link-Catalog
http://www.bricklink.com/catalog.asp

The Brick Fan – LEGO Becomes the World Biggest Toymaker
(posted on September 4, 2014 by Allen “Tormentalous” Tran)
http://www.thebrickfan.com/lego-becomes-worlds-biggest-toymaker/#sthash.96L9Snxc.dpuf

THE WEEK - How Lego beat out Barbie to become the king of toymakers
(posted on September 11, 2014 by Yuval Rosenberg, The Fiscal Times)
http://theweek.com/article/index/267749/how-lego-beat-out-barbie-to-become-the-king-of-toymakers

倒産寸前だった「LEGO」が世界2位のおもちゃ会社に返り咲いた理由
(posted on December 12, 2013 by 伊吹太歩, Business Media 誠)
http://bizmakoto.jp/makoto/articles/1312/12/news008.html




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コメント

従来のスロープパーツが2ポッチ幅(奥行き)x2ブロック高だったのを、1x1にできたというのは確かに大きい。
1x1ポッチでできるようになったので、ようやくスロープパーツが1x1ブロックであり、1x1プレートに追いついたということに他ならず。
逆に言えばスロープパーツだけ遅れてたんやね。

ただ”ブロック”という観点からすると最小単位が1x1プレートという表現も間違っていないように思うし、より表現力が豊かになったぶん、ブロック玩具としてはそれらしさを失った気がする。

カクカクなのも嫌いじゃないんで、そのへんバランスの問題かなと(^^

  • 2015/09/11(金) 16:32:50 |
  • URL |
  • かう゛ぇ #cFdA8Xk.
  • [ 編集 ]

Re: タイトルなし

> 逆に言えばスロープパーツだけ遅れてたんやね。
今思えば何で無かったんだろうと...

> それらしさを失った気がする。
自分も再開したときは少し違和感ありました。すぐ馴染みましたが。

> カクカクなのも嫌いじゃないんで
細かいものから、かくかくに関しては、自由に出来ますから、好みの問題でしょうかね。


  • 2015/09/16(水) 17:55:53 |
  • URL |
  • mazta-k(マツタケ所長)  #-
  • [ 編集 ]

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